かつて、高校時代に友人5人と計画して、卒業時に自転車の卒業旅行を
実行した事がありました。
当時、僕は17歳、元々はクラスの男子5名+女子2名の7名で行く予定でした。
出発はJR住吉駅から滋賀県の琵琶湖を1周して帰るという内容で、
2泊3日で高校卒業式までの休みの期間を利用して行きました。
朝6時に集合し、国道2号線を西宮方面に東に移動しました。
待ち合わせ時間の少し前に、女子の1人がドタキャンの連絡を入れてきました。
そして、その仲の良かった、もう1人の女子も6時半になっても来ませんでした。
僕らは結局、5人で出発しました。元々、女子は足手まといだったので、不要でした。
西宮の171号線には、7時半には入りました。
僕らは、当時、人気のあったインディーズパンクロックの歌を皆で歌いながら、ひたすら自転車をこぎました。
8時過ぎ、西宮市から尼崎に入ろうかというところで、リーダー格の友人の携帯に着信がありました、
なんと、もう1人の女子は寝坊で、8時頃に住吉駅を出て、こちらに向かっているとの事でした。
昼休憩時に、待つことにして、僕らは先を進みました。
正直、その子のせいで、1時間遅れになり、何の連絡もなく、さらに1時間送れて出発、
2時間も待つ気にはなりませんでした。
しかも、女子なので、正午にはさらに差が付いている可能性がありましたし、
正直、追いつけない事を知ると引き返してくれると思っていました。
正午になり、大阪の高槻に入った所で、休憩を取りました。
徐々にお尻が痛くなり、立ちこぎと、座りこぎを繰り返しているところでした。
1時間昼食も兼ねて、お昼を取り、もう1名の女子の居場所を確認すると、まだ西宮市でした。
ペースでいうと3時間遅れているので、引き返すように伝えて、僕らは先を進むこととしました。
15時前には、京都に入りました。
ここで171号線から国道1号線に道は変わります。とにかく、早く琵琶湖が見たくて
皆、無心でペダルをこぎました。
京都市内で、本屋に寄り、今みたいにスマホでホテル検索などができないガラケーの僕らは
ホテルを探しました。
ちょうど、琵琶湖の堅田と呼ばれる場所に4000円ぐらいで宿泊できるホテルを見つけました。
そこを予約して、大津方面に向かいました、時間は17時前、徐々に日が暮れてきて、
ふくらはぎもパンパンになってきていました。
そんな時に京都市内から山科ー大津に抜ける山道をママチャリで越えるのは過酷というか
正直、限界でした。
19時にようやく大津に到着、ギリギリ琵琶湖が見えましたが、すぐに暗くなってしまい、先を急ごうと
した時に、リーダー格の携帯が鳴ります
『えっ!? 付いて来てるの? どこ? まだ高槻? 早く引き返せ』
あの女子が付いて来ていたのです。正直、彼女の根性に驚かされつつも、
僕等に待つ選択肢はなく、湖西側をひたすら自転車でこぎました。
途中に3000円で食べ放題という店を見つけました。時刻は20:30
すでに空腹と疲れで限界でした。
堅田までは数kmの所で、夕食を取りました。
夕食は、最高においしく、皆、ご機嫌でした。そんな中でリーダー格の友人が
電話片手に外に出て行きました。
『おい、大変や、あいつ、まだ自転車で追ってきてて、今、泣きながら山道で迷ったって電話があったわ
、たぶん山科ん所の山越えしてるんやと思う、暗くてメッチャ恐いと思うわ、俺、迎えに行って来る』
そういってリーダー格は皿の上の食事を一気に食べて出ていきました。
残された4人は、とりあえず出ているものを口に入れて、すぐに追いかけましたが、
すでにリーダー格は、かなり遠くまで進んでおり、携帯に電話があり、先にホテルにチェックインするよう
言われて、僕ら4人はホテルを目指しました。